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BeHub.JP クリエイタ窶塔Yボイス 第3回 スタジオヴェルト 森田祐司氏

クリエイターズボイス

 

スタジオヴェルト 森田祐司氏


日常的な編集作業は「iQ」で、凝った細かな映像は
「Final Cut Pro」「After Effects」で行っています。


Studio Welt 汐留

BeHub.JP : こちらは「スタジオヴェルト」の汐留分室ということですが、どのような事業内容なのでしょうか?

 

森田:「スタジオヴェルト」は、編集スタジオを幾つか所有しているのですが、ここは基本的に「日本テレビ」系の番組の制作を中心に作業するスタジオとなっています。

 

BeHub.JP : 主にどのような番組を担当なさっているのでしょうか?

 

森田: 今は「ザ!鉄腕!DASH!!」「しゃべくり007」「行列のできる法律相談所」「魔女たちの22時」や、ナインティ・ナインの『ぐるナイ』の「ゴチになります」などです。

 

BeHub.JP : 本当に人気番組ばかりですね!他には、どのような映像制作を行っているのですか?

 

森田:小さいものだと5分程度の番組などもありますが、番組改編時の特別番組や、時々VPやCMなども制作します。ですので、本当に多岐にわたった仕事をやらせてもらっていますね。

 

BeHub.JP : では、ここのスタジオでは、作業的には一体どのようなことをするのでしょうか?

 

森田:基本的には、番組サイドから映像が持ち込まれるので、このスタジオでデータを読み込んで、スィッチャーなどを使用して編集して、その後、テロップ作業などを行って、最終的に上層階にMA用の別室があるので、そこで音を付けるといった感じです

 

BeHub.JP : ということは、この汐留分室だけで完パケまで行えるのですか?

 

森田:そうですね、映像の編集からMAの作業まで、全部ここで最初から最後まで完結できるようなシステムとなっています。

 

BeHub.JP : では、森田さん達がメインでなされている作業行程をお伺いしたいのですが?

 

森田:ウチの会社の場合、制作会社さんが編集してきたオフラインのEDLデータを「Quantel iQ」という、映像編集の専用機材を使って読み込みます。そして、編集作業として画面を切り貼りしたり合成や加工を行った後、DEKOと呼ばれるタイトラーで作成したテロップを入れて行きます。

 

スタジオヴェルト様

BeHub.JP : それらの作業は何人くらいで行うのですか?

 

森田:一応、それぞれの機材の担当みたいのがいて、MA作業の人間も含めて、プロジェクトによって違いますがだいたい4人から6人で分業して行います。

 

BeHub.JP :そういう場合は森田さんがリーダー的な役割になるのですか?

 

森田:ウチの会社はあまりそういうのが無くて、単に分担作業という感じなんですよ。
まあ、僕が上に立ちはしますが、仕切るという感じでもなく、自然に作業を任された人間が自分の仕事をこなして、それが連動して一つの作品を作ることになるといった方がいいかもしれませんね。

 

BeHub.JP : そうなんですか。では、話しを少し変えさせていただきますが、編集ではFinal Cut Proなどは使用なされないのですか?

 

森田: 勿論ノンリニアの作業で使います。例えば、タイトル制作などで、「iQ」にはないプラグインなどを使用したい時には、「Final Cut StudioのMotion」や、「Adobe After Effects」などで作り込んで、「iQ」に読み込み、それをまた合成したりします。

 

BeHub.JP : それは、どうしてそのような作業行程になるのですか?

 

森田:やはり、PC主体だと、レンダリングなんかもちょっと時間かかるので、全体的な作業は「Quantel iQ」で編集や合成を行います。なので、PCで作業する場合は、本当に作り込みたい時とかになります。

 


基本的に「iQ」は、インフェルノと同様に編集合成用機材なので、「Sapphire」(サファイア)などの光系のエフェクトなど使って作業します。PCの作業とは分別してる感じですね。

 

Studio Welt iQ ノンリニア編集室

 

小深田

 

ノンリニア製品が続々と出てきて、
『これからはノンリニアの時代だ!』と思ったんです。

 

 

ここからは、森田さん個人についてお聞きしました。

 

BeHub.JP : 森田さんは、どういった経緯で編集の世界に入られたのでしょうか?

 

森田: 実は、僕は音楽が好きで、音楽のエンジニアになりたくて専門学校に行ったんですよ(笑)でも学校で、映像に音を付けるMA作業というものを知って、これも楽しそうだなと思い、卒業後にMAとして「麻布プラザ」という映像編集とMAをしている会社に入社したんです。

 

BeHub.JP : では、初めから編集希望だったわけではないんですね?

 

森田: そうです。全く知らない世界だったので、会社の研修期間で編集をやらされて「面白そう」と一言言ったら、編集に回されたんです(笑)だけど、実際やったら編集作業が面白くて、すぐに編集をやって良かったと思えたんですよ。

 

森田祐司氏

BeHub.JP : アシスタントは長くやられたんですか?

 

森田: 僕の場合は、入社してたった8ヶ月で編集作業をさせてもらったんです。勿論アシスタント作業もしましたけど、機材に興味を持って、操作を覚えてる最中に、編集の仕事もスタートした感じです。だから、仕事するごとに編集が面白くなっていったんですね。

 

BeHub.JP : では、本格的にはどのようにして作業は覚えていかれたのでしょうか?

 

森田: 当時は、世の中で編集を仕事にしている人間が本当に少なくて、人手不足のため、皆が徹夜続きだったんです。それで、先輩が仕事の休憩中に姿を消してしまう時が多々あったんですよ(笑)

それで、僕がやるしかない時が度々あり、それでやり方を自分なりに覚えれたということもあります。

 

BeHub.JP : 先輩が仕事の途中でいなくなっちゃうんですか?

 

森田:本当は、眠たいだけだったのか本心は知りませんが(笑)。森田なら大丈夫だろう「そろそろおまえもやってみろ」と言う感じで、無理矢理に先輩が、僕に実践の機会を与えてくれてたんだと思います。

まあ、それくらいやらないと、覚えないところもあるので、無理矢理編集作業の場を貰ったということです。
でも、本当にとても良い経験をさせてもらい、今では感謝してます。

 

BeHub.JP : やっぱり、実践が重要なんですね。では、スタジオヴェルトに入社したのいつ頃なのでしょうか?

 

森田: 僕は、23歳くらいの時にここに入社しました。

当時は、この会社がスタートしたばかりで、スタジオ数も編集者も少なかった状態でした。それで、これから大きな会社にするということで、僕ら数人が誘われて移ってきた感じです。

 

ですが、僕は、32歳くらいで一度退社したんですよ。

 

BeHub.JP : それは何故ですか?

 

森田: その当時、丁度「Final Cut Pro」や「AVID」「After Effects」などのノンリニア製品が出てきて、僕は『これからはノンリニアの時代だ!』と思ったんです。だけど、会社に入っていると自分で勉強する時間もないし、これは無理だと思って、何もあてもなくフリーになったんです。

 

BeHub.JP : そうなんですか。辞める時は迷わなかったのですか?Studio Welt 汐留

 

森田:ノンリニアという言葉ができた頃だったので、会社でもまだソフトもないし、仕事が忙しすぎて時間も無いということで、最終的に勉強したいから辞めたんです。

それで、独学で「Final Cut Pro」やCGソフトの「SHADE」を覚えました。同時に、その頃の知り合いの人に声をかけてもらい仕事をいただけたので、個人でフリーとして編集の仕事をしながら、Final Cut Pro やCGソフトを試したりできたんですよ。

 

BeHub.JP : それで、何時再度スタジオヴェルトに復帰したのですか?

 

森田:当時は、ソフトの使い方も分かってきて、個人でやっていた方が収入も良かったんですが(笑)、スタジオヴェルトから「iQ」を導入するにあたってオペレーターをやってみないかという話をいただき、新たに「iQ」を覚えられるチャンスだったこともあり、再びここで働くことにしたんです。

 

bar

 

編集作業では想像力が大切です。

 

 

本当に編集の仕事が楽しそうな森田さんに、この仕事の魅力について聞いてみました。

 

BeHub.JP : 映像編集の面白さや魅力とはなんでしょうか?

 

森田:映像編集という仕事の良さは、自分の想像力や工夫で色々な画面を作れることです。そして、それをクライアントさんや視聴者の方に見てもらって、喜んでもらえたり、感動してもらったりということも確認しやすいところでしょうね。

 

やはり、作品を作って褒められたりすると凄く嬉しいですから、そこはとても大きいと思います。

 

BeHub.JP : では、辛かったことや嫌なことはないですか?

 

森田:勿論、編集でもの凄い時間のかかる作業もあって、疲れることも多いのですが、作業のどこかに楽しさを見つけて僕は仕事をしています。
だから、あんまり面白くないとか、嫌になったことはないんですよ。
やはり、楽しくなくてはどんな仕事も続かないと思いますし。

 

BeHub.JP : 今まで、ご自分の作品で思い出深いものはありますか?

 

森田:沢山編集をしているので、色々思い出はあるんですが、ちょっと変わったものでは、ドキュメンタリーのドラマで韓国に行ってホテルで缶詰になりながら一人で編集をしていったのが思い出深いです。

 

そのドラマは、朝から晩まで監督がカメラを回し続けて夜中にテープを受け取って、貰った台本と軽く監督と会話した後に、少ない言葉数から想像してストーリーを繋ぎ合わせて編集していくんですよ

 

BeHub.JP : ということは、監督さんは編集には関わらないんですか?

 

森田:監督さんは朝から動いてるので、テープを持ってくる時はフラフラなんですよ(笑)それで、全て編集は僕に任せてくれてる感じで、僕が監督の言葉を汲み取って物語を作るように編集しました。

 

BeHub.JP : それは、とても編集のやり甲斐がありますね。pict

 

森田:そうですね、こういうドラマなどは編集次第で物語の深みとかも変わってくるので、とてもやっていて面白いですね。

 

BeHub.JP : では、最後にこれから映像編集に関わりたいと思っている人に向けてメッセージなどをいただけますか?

 

森田:実は、映像ソフトはインターフェイスがちょっと違うだけで、どれもほとんど同じような操作なんですよ。だから、若い人ならばソフトの操作自体はあっという間に覚えれると思います。なので、大切な事は編集の際の想像力をいかに持つかということでしょうね。

 

BeHub.JP : それは、具体的にどんなことでしょうか?

 

森田:例えば、どんな短い映像でもこの作品は感動的にしたいから、この展開でこの画面が良いだろうとか、この作品はかっこいい雰囲気だから、こうやったら画面がかっこ良くなるとか、常に流れやストーリーなどと展開や完成を想像して作ることが重要だと思います。

あと、これを言うと、テレビを見るのが面白くなくなってしまいがちですが(笑)なんとなくテレビを見るのではなく「自分ならこの場面でこうする」とか、「こうやったらどうなんだろう?」などということを、自分で考えながら見ると、自分なりの編集観が養えると思います。

 

BeHub.JP : 森田さん、本当に、本日は貴重なお話ありがとうございました。

 

bar

 

Studio Welt1  Studio Welt2

 

最後に、もう少しだけ「ヴェルト株式会社」様の事業内容についてお話をいただきました。

 

BeHub.JP :こちらの会社の事業概要などをお聞きしたいのですが…。

 

ヴェルト株式会社:「ヴェルト株式会社」は、映像編集からMA作業まで行う会社で、本社が曙橋にあります。他に「台場分室」「メディアージュ」「汐留分室」といった4箇所にスタジオを持っています。また、この2月から渋谷にも、もう一つスタジオを構えることになっています。

 

BeHub.JP :かなり大きいですね。、汐留分室では日本テレビの番組が中心ということですが、それ以外のスタジオではどんな作品を担当なさっているのですか?

 

ヴェルト株式会社:他には、TBSの「情熱大陸」や、フジテレビの「めざましテレビ」などです。なので、スタジオごとに番組も違って、お台場ではフジテレビ系、今度の渋谷ではNHKといった感じです。

 

BeHub.JP:本当に大きい会社ですね。例えば、ここの汐留では、何人の方が働いているのでしょうか?

 

ヴェルト株式会社:ここだけで、約40人くらいですね。だから全てのスタジオを合わせると、かなり大人数ですね(笑)

 

BeHub.JP :それは管理も大変そうですね!映像編集という仕事はどういったものとお考えですか?

 

ヴェルト株式会社:やはり長い仕事になると徹夜なども多仕事です。なので、楽な仕事とは言えませんが、慣れてくると面白かったり、やりがいのある仕事だと思います。

 

BeHub.JP :こういった大きな会社では、アシスタントの期間が長いのですか?

 

ヴェルト株式会社:そんなことは無くて人それぞれですね。あっという間にオペレーターになる場合や、5年かかってなる人間もいます。ですが、5年かかった子は、それだけ色々な作業に関わっているので、リニアにもノンリニアにも精通していて今では、立派にどの仕事もこなしています。なので、早いから良いという訳でもないと思います。

 

BeHub.JP :最後に一言お願いします。

 

この仕事は本当に体力が大事なので、くれぐれも身体も心も疲れないように、時には適度な休みをとることも大事だと思います。

 

BeHub.JP :本日は、貴重なお話を頂き、ありがとうございました。

 

 

 

2009年2月スタジオヴェルト汐留分室にて      ヴェルト株式会社様のホームページへ  このページのトップへ▶


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